40代女性の転職で退職金はいくらを目安に判断する?

40代女性の転職で退職金はいくらを目安に判断する?

40代女性の転職で退職金を判断するとき、年齢だけで「いくらなら転職してよい」と決めることはできません。現在の勤務先で将来受け取れる退職金と、転職先の退職金・給与・働き続けやすさを比べ、転職による差額を確認することが大切です。退職金制度がない会社や、勤続年数によって受給条件が変わる会社もあるため、まずは自分の会社の規程と転職先の条件を確認しましょう。

40代女性の転職で退職金はいくらを目安にするべきか

目安にする金額は、現在の会社を定年まで勤めた場合に増える退職金ではなく、転職によって失う可能性がある金額です。次の3つを分けて考えると判断しやすくなります。

  • 現在の会社を退職した時点で受け取れる、または将来受け取れる退職金
  • 現在の会社に残った場合、定年までに増える退職金
  • 転職先で受け取れる退職金や企業年金

たとえば、現在の会社に残れば将来の退職金が1,000万円、転職すると転職先の退職金が300万円になる場合、単純な差額は700万円です。ただし、転職先で年収が毎年100万円高くなるなら、7年間で差額を埋められる可能性があります。実際には税金、賞与、社会保険料、昇給、勤務年数なども関係するため、退職金の差額だけで結論を出さないようにします。

退職金の金額は年齢や性別だけでは決まらない

退職金は、40代女性だから一律に決まるものではありません。主に次の条件で変わります。

  • 会社に退職金制度があるか
  • 退職一時金か、企業年金か、両方か
  • 勤続年数が何年あるか
  • 基本給、等級、役職などがどう反映されるか
  • 自己都合退職か、会社都合退職か
  • 定年退職か、定年前の退職か
  • 退職金の受給に必要な勤続年数を満たしているか

同じ40代でも、勤続20年の人と勤続3年の人では金額が大きく異なることがあります。また、退職金制度があっても、自己都合退職では減額される場合や、一定年数未満では支給されない場合があります。

転職前に確認する現在の会社の退職金

最初に確認するのは、現在の会社を今退職した場合の退職金です。就業規則、退職金規程、企業年金の案内、給与・福利厚生の担当部署などで確認します。

次の項目を、できれば書面や試算表で確認してください。

  • 現時点で退職した場合の見込額
  • 定年まで勤務した場合の見込額
  • 勤続年数の数え方
  • 自己都合退職による減額の有無
  • 受給条件と支給時期
  • 退職一時金と企業年金の内訳
  • 確定拠出年金がある場合の残高と移換手続き

会社から金額を教えてもらえない場合、「退職金はありますか」とだけ聞くのではなく、「現在退職した場合と、定年まで勤務した場合の見込額を確認したい」と伝えると、判断に必要な情報を得やすくなります。

転職先の退職金は「ある・ない」だけで判断しない

転職先に退職金制度がある場合でも、受給できるとは限りません。入社後の勤続年数や雇用区分、退職理由によって条件が決まるためです。

転職先では、次の内容を確認しましょう。

確認項目 確認する内容
制度の種類 退職一時金、企業年金、確定拠出年金などのどれか
加入条件 正社員のみか、試用期間後から加入するのか
最低勤続年数 何年勤務すれば受給資格が発生するか
計算方法 基本給、ポイント、勤続年数など何が反映されるか
自己都合退職 退職理由による減額や不支給があるか
支給時期 退職後いつ支払われるか

求人票に「退職金あり」と書かれていても、金額や受給条件まで分からないことがあります。入社を決める前に、求人票だけでなく雇用契約書、労働条件通知書、就業規則などで確認しましょう。

退職金の差額は年収差と何年で埋まるか計算する

転職による退職金の差を判断するときは、次の計算を使えます。

退職金の差額 ÷ 転職後に増える年間の手取り額 = 差額を埋めるまでの年数

これは判断のための計算例であり、実際の税金や昇給を含まない単純計算です。

仮に、現在の会社に残った場合と転職した場合の退職金の差額が600万円、転職後の手取り年収が現在より120万円増えるとします。この場合、600万円÷120万円で、単純計算では5年が差額を埋める目安です。

ただし、次の費用や収入も合わせて見ます。

  • 転職後の賞与や昇給の見込み
  • 通勤費や在宅勤務の有無
  • 資格取得費用や転職に伴う引っ越し費用
  • 残業時間や勤務日数の変化
  • 転職後に短時間勤務を選ぶ可能性
  • 定年年齢と再雇用制度

特に40代の転職では、転職先で何年働けるかによって退職金の見込額が変わります。入社時点の金額だけでなく、定年までの勤務年数を前提に試算してください。

退職金以外の条件も含めて転職を判断する

退職金が少なくなる転職でも、給与や働き方の改善によって家計全体では有利になることがあります。反対に、退職金が多くても、給与が下がり、働き続けることが難しくなれば慎重な検討が必要です。

比較する項目 確認するポイント
年収 基本給、賞与、手当を分けて比較する
退職金 現時点の見込額と将来の見込額を比較する
企業年金 老後に受け取る制度の有無と内容を確認する
定年・再雇用 何歳まで働けるか、再雇用後の条件を確認する
休暇・勤務時間 家庭の事情や通院、介護などと両立できるかを見る
雇用の安定性 試用期間、契約更新、勤務地変更の条件を確認する

家庭の事情や健康、介護などで勤務時間を調整する必要がある場合は、退職金の金額だけでなく、無理なく働き続けられるかも重要です。これは40代女性に限らず、転職後の収入と継続勤務を考えるすべての人に共通する判断材料です。

転職しても退職金を受け取れないケースに注意する

退職金が支給されるか分からない場合は、受け取れる前提で転職の資金計画を立てないことが大切です。

たとえば、次のような場合は支給額が変わる可能性があります。

  • 退職金制度そのものがない
  • 勤続年数の条件を満たしていない
  • 自己都合退職による減額がある
  • 企業年金の受給開始年齢が決まっている
  • 確定拠出年金の資産を転職先へ移換する必要がある
  • 管理職、契約社員、短時間勤務などで制度の扱いが異なる

「退職金がある」と聞いただけでは、金額や受給時期は判断できません。退職届を出す前に、現在の会社と転職先の両方へ、制度の対象者、受給条件、見込額を確認しましょう。

退職金を理由に転職を迷ったときの判断手順

金額を比較するだけでなく、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

  1. 現在の会社を今退職した場合の退職金見込額を確認する。
  2. 現在の会社に残った場合の定年時の退職金見込額を確認する。
  3. 転職先の退職金制度、加入条件、受給条件を確認する。
  4. 現在と転職後の手取り年収、賞与、勤務時間を比較する。
  5. 退職金の差額を、転職後に増える手取り年収で埋める年数を計算する。
  6. その年数まで転職先で働き続けられるか、定年や働き方を確認する。
  7. 退職金以外の理由も含めて、転職後の生活資金に無理がないか判断する。

転職後の条件が口頭説明と求人票だけで分からない場合は、雇用契約書や就業規則で確認できるまで判断を保留する方法もあります。未確認の退職金を見込んで、転職直後の生活費や住宅ローンの返済計画を組むのは避けてください。

40代女性の転職で退職金を判断するポイント

40代の転職では、退職金の「平均額」だけを目安にするより、自分が今の会社を辞めることで失う金額と、転職によって得られる収入・働きやすさを比べることが重要です。

まずは現在の会社の退職金見込額を確認し、次に転職先の制度と受給条件を書面で確認してください。そのうえで、退職金の差額を転職後の手取り収入で何年かけて埋められるかを計算すると、自分にとって転職する価値があるか判断しやすくなります。