離婚後の社会保険は、現在の加入状況によって切り替え方法が変わります。配偶者の健康保険の扶養に入っていた人は、原則として扶養から外れ、健康保険を勤務先の健康保険、国民健康保険、または健康保険の任意継続へ切り替えます。国民年金も第3号被保険者から第1号被保険者への変更が必要になる場合があります。
一方、離婚後も自分の勤務先の健康保険・厚生年金に加入している人は、通常、本人の社会保険を切り替える必要はありません。
離婚後の社会保険の切り替え先
| 離婚前の加入状況 | 離婚後の主な手続き |
|---|---|
| 自分の勤務先の健康保険・厚生年金 | 原則として切り替え不要。勤務先に離婚したことを伝え、元配偶者を扶養家族として登録している場合は削除手続きをする |
| 元配偶者の健康保険の扶養 | 扶養から外れた後、勤務先の健康保険、国民健康保険、任意継続のいずれかへ切り替える |
| 国民健康保険・国民年金 | 加入を続ける。元配偶者を世帯主としている場合は、世帯主変更などの住民登録上の手続きが必要になることがある |
| すでに再就職して勤務先の社会保険に加入する場合 | 勤務先で健康保険・厚生年金の加入手続きをする |
ここでいう社会保険は、主に健康保険と年金を指します。雇用保険などは別の制度であり、離婚しただけで自動的に切り替わるものではありません。
元配偶者の扶養に入っていた場合の切り替え方法
最初に、元配偶者が加入している健康保険の運営元へ、扶養から外れる日と必要書類を確認します。その後、離婚後の働き方に応じて、勤務先の健康保険か国民健康保険へ切り替えます。
- 元配偶者の勤務先または健康保険の運営元に、被扶養者の資格を失う日を確認する。
- 「健康保険被扶養者(異動)届」などの手続きにより、扶養から外してもらう。
- 健康保険の資格を失ったことを証明する書類を受け取る。
- 再就職先の健康保険に加入するか、住んでいる市区町村で国民健康保険へ加入する。
- 年金が第3号被保険者だった場合は、国民年金の種別変更も行う。
離婚届を提出しただけでは、健康保険や年金の切り替えが完了するとは限りません。扶養から外れた日や必要書類は、元配偶者の加入先によって確認してください。
国民健康保険へ切り替える場合
勤務先の健康保険に加入しない場合は、原則として住民票のある市区町村で国民健康保険の加入手続きをします。一般的には、健康保険の資格を失った日から14日以内が手続きの目安です。
主に次の書類を求められます。
- 健康保険資格喪失証明書
- 本人確認書類
- マイナンバーを確認できる書類
- 自治体が指定する申請書類
必要書類や申請方法は市区町村によって異なります。資格喪失証明書がまだ届かない場合は、期限を過ぎる前に市区町村の国民健康保険窓口へ相談してください。
加入手続きが遅れても、資格を失った日までさかのぼって保険料が計算されることがあります。未加入のままにせず、資格を失った日と証明書の発行時期を伝えて確認することが大切です。
再就職して勤務先の健康保険に入る場合
離婚後に勤務先の健康保険・厚生年金の加入条件を満たす場合は、勤務先で加入手続きをします。元配偶者の扶養から外れたことを勤務先に伝え、資格喪失証明書などの提出を求められた場合は提出してください。
勤務先の社会保険に加入できるかは、勤務時間、勤務日数、勤務先の規模などの条件で決まります。会社に「健康保険と厚生年金の加入対象か」「加入日はいつか」を確認してください。
健康保険の任意継続を利用できる場合
離婚前から自分自身が勤務先の健康保険に加入しており、退職によって資格を失った場合は、健康保険の任意継続を選べることがあります。これは、元配偶者の扶養に入っていた人が離婚しただけの場合に、通常利用できる制度ではありません。
任意継続には、退職前の加入期間や申請期限などの条件があります。一般に、申請期限は健康保険の資格を失った日の翌日から20日以内とされますが、加入していた健康保険の運営元で確認してください。
年金の切り替え方法
元配偶者の厚生年金に扶養される「国民年金第3号被保険者」だった人は、離婚によって第3号被保険者ではなくなります。再婚や再就職などで別の資格を取得しない限り、国民年金第1号被保険者への変更手続きが必要です。
第1号被保険者への変更は、住民票のある市区町村の国民年金窓口、または年金事務所で行います。手続きの期限は、一般に第3号被保険者でなくなった日から14日以内が目安です。
主な持ち物は次のとおりです。
- 基礎年金番号が分かる書類
- 本人確認書類
- 離婚や扶養から外れたことを確認できる書類
- 健康保険の資格喪失日が分かる書類
必要書類は状況によって異なるため、手続き先へ事前に確認してください。収入が少なく国民年金保険料の支払いが難しい場合は、免除や納付猶予を申請できることがあります。ただし、免除や猶予は自動では適用されません。
離婚後すぐに再就職する場合
離婚後に勤務先で厚生年金へ加入する場合は、原則として国民年金第1号被保険者への変更ではなく、勤務先で厚生年金の加入手続きをします。第3号被保険者の資格を失う日と、勤務先の厚生年金に加入する日が異なる場合は、空白期間の手続きが必要になることがあります。
勤務先に、元配偶者の扶養を外れる日と就職日を伝え、年金の切り替えが必要か確認してください。
子どもの健康保険は別に確認する
離婚後の子どもの健康保険は、親の離婚だけで自動的に切り替わるわけではありません。子どもが元配偶者の健康保険の扶養に入っている場合は、そのまま加入できることもあれば、親権や生計維持の状況に応じて変更が必要になることもあります。
子どもを自分の勤務先の健康保険の扶養に入れたい場合は、勤務先を通じて被扶養者の認定を申請します。国民健康保険へ加入させる場合は、子どもの資格喪失証明書などを用意して市区町村で手続きします。
子どもの加入先を変更する場合は、元配偶者の勤務先、加入先の健康保険、または自分の勤務先に、必要書類と認定条件を確認してください。
切り替え手続きで確認するポイント
手続き前に、次の4点を整理すると、切り替え先を判断しやすくなります。
- 離婚前に、自分の勤務先の社会保険か、元配偶者の扶養か
- 健康保険の資格を失う日がいつか
- 離婚後に勤務先の健康保険・厚生年金へ加入する予定があるか
- 子どもの健康保険を誰の扶養にするか
特に重要なのは、離婚届を提出した日と、健康保険や年金の資格を失う日が必ずしも同じとは限らないことです。元配偶者の勤務先や健康保険の運営元に、資格喪失日を確認してから次の手続きを進めてください。
離婚後の社会保険切り替えで最初にすること
元配偶者の扶養に入っていた場合は、まず元配偶者の勤務先または健康保険の運営元へ、扶養から外れる日と「健康保険資格喪失証明書」の発行方法を確認します。そのうえで、再就職先の社会保険または市区町村の国民健康保険へ、健康保険の資格を失った日からできるだけ早く手続きしてください。
年金が第3号被保険者だった人は、国民年金第1号被保険者への変更、または再就職先での厚生年金加入手続きも必要です。自分の勤務先の社会保険に加入している人は、本人の切り替えは原則不要ですが、元配偶者や子どもの扶養登録がある場合は、その削除・変更を勤務先へ届け出ます。







