離婚後の児童扶養手当は、受給資格を満たしたうえで、申請者本人の「所得」が所得制限限度額未満であることが主な収入条件です。給与の額面収入そのものではなく、給与所得控除や各種控除を反映した「所得」で判定されます。
また、受給者と同居する父母・きょうだいなどの扶養義務者の所得が基準を超えると、申請者本人の所得が低くても手当を受けられない場合があります。
離婚後に児童扶養手当を受けられる主な条件
離婚した父または母が、対象となる子どもを監護していることが基本です。一般的には、次のような条件を満たす必要があります。
- 父母が離婚している
- 申請者が子どもを監護し、生計を同じくしている
- 子どもが18歳になった後の最初の3月31日までである
- 子どもに一定の障害がある場合は、20歳未満である
- 申請者本人や同居する扶養義務者の所得が制限額を超えていない
事実上の婚姻関係にある場合や、子どもが児童福祉施設に入所している場合などは、離婚後であっても対象外になることがあります。受給資格の細かな条件は自治体で確認が必要です。
判定に使われるのは「収入」ではなく「所得」
児童扶養手当では、給与の額面や振込額ではなく、原則として前年などの所得を基に判定します。給与所得者の場合、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得です。
さらに、医療費控除や障害者控除、寡婦控除など、対象となる控除を差し引いて判定することがあります。したがって、同じ年収でも、扶養している子どもの人数や控除の状況によって判定結果が変わります。
児童扶養手当で使われる所得の計算では、離婚した相手から受け取る養育費の8割相当額が所得に加算されます。養育費を受け取っている場合は、金額や受け取った時期を申告する必要があります。
本人の所得制限限度額の目安
以下は、令和6年11月分以降に使われている所得制限限度額を基にした目安です。金額は年間所得で、扶養親族等の人数によって異なります。
| 扶養親族等の人数 | 全部支給の所得限度額 | 一部支給の所得限度額 |
|---|---|---|
| 0人 | 190万円未満 | 334万3,000円未満 |
| 1人 | 230万円未満 | 385万円未満 |
| 2人 | 268万円未満 | 432万5,000円未満 |
| 3人 | 306万円未満 | 480万円未満 |
扶養親族等が4人以上の場合は、通常、1人増えるごとに所得限度額が加算されます。ただし、控除の種類や受給者の状況によって計算が変わるため、表の金額だけで受給可否を確定することはできません。
本人の所得が全部支給の限度額未満なら全部支給、一部支給の限度額未満なら一部支給となる可能性があります。所得が一部支給の限度額以上の場合は、児童扶養手当は支給されません。
給与収入の年収だけでは受給可否を判断できない
たとえば、同じ給与収入でも、子どもの人数、社会保険料相当額、医療費控除、障害者控除などによって所得が変わります。そのため、「年収が300万円なら必ず受給できる」「年収400万円なら必ず対象外」とは言い切れません。
確認するときは、源泉徴収票や確定申告書などで、給与収入ではなく次の金額を確認します。
- 給与収入や事業収入などの年間収入を確認する
- 給与所得控除などを反映した所得を確認する
- 養育費を受け取っている場合は、その8割相当額を加える
- 該当する所得控除を差し引く
- 扶養親族等の人数に対応する所得制限限度額と比較する
実際の計算方法は、所得の種類や控除の内容によって異なります。自治体の窓口では、源泉徴収票や確定申告書を使って確認してもらえる場合があります。
同居する家族の所得も確認が必要
申請者本人の所得が限度額未満でも、申請者と同居する父母、祖父母、子、きょうだいなどの扶養義務者の所得が制限額以上だと、手当が支給されないことがあります。
特に、離婚後に実家で暮らしている場合は、同居する親の所得が判定に影響する可能性があります。住民票を分けていても、実際の生活状況によって扱いが変わることがあるため、世帯を分ければ必ず対象になるとは限りません。
扶養義務者に関する判定は、本人の所得制限とは別の基準で行われます。家族と同居している場合は、申請前に自治体へ同居家族の続柄と所得の扱いを確認してください。
養育費を受け取っている場合の注意点
離婚した相手から養育費を受け取っていても、それだけで児童扶養手当の対象外になるわけではありません。ただし、受け取った養育費の8割相当額が申請者の所得に加算されるため、所得制限に近い場合は支給額や支給可否に影響します。
養育費を現金で受け取っている場合だけでなく、口座振込や生活費の負担なども養育費として扱われることがあります。金額や受け取り方を自己判断で除外せず、申請時に正確に伝えることが大切です。
自分が対象か確認する方法
最初に、前年の所得が分かる源泉徴収票や確定申告書、養育費の受取額が分かる記録を用意し、住んでいる市区町村の児童扶養手当担当窓口へ相談してください。
- 離婚日と子どもの年齢を確認する
- 前年の源泉徴収票または確定申告書を用意する
- 養育費を受け取っている場合は年間の受取額を整理する
- 同居している父母やきょうだいなどの続柄を伝える
- 本人と扶養義務者の所得制限に該当するか確認する
- 対象になる場合は、必要書類をそろえて申請する
児童扶養手当は、原則として申請した月の翌月分から支給対象となります。離婚後に対象になる可能性がある場合は、所得が確定するまで待たず、早めに自治体へ申請時期と必要書類を確認してください。
離婚後の児童扶養手当は、年収ではなく所得で判定され、本人の所得・養育費・扶養親族等の人数・同居する扶養義務者の所得によって結果が変わります。源泉徴収票などを準備し、住んでいる市区町村の窓口で個別に確認するのが確実です。







