離婚後に転職すると社会保険や扶養はどうなる?

離婚後に転職すると社会保険や扶養はどうなる?

離婚と転職は別々の手続きですが、同じ時期に起こると社会保険や扶養の扱いが変わりやすくなります。離婚後に転職する場合は、転職先で社会保険に加入するのか、空白期間に国民健康保険・国民年金へ切り替えるのかを確認します。

また、離婚によって元配偶者の健康保険の扶養から外れる場合は、資格を失った日以後の保険を自分で用意する必要があります。子どもの扶養を誰の健康保険にするかは、親権だけでなく、実際の生計維持関係や健康保険者の認定によって決まります。

離婚後に転職すると社会保険はどうなる?

転職先が社会保険の加入対象であれば、原則として転職先の健康保険と厚生年金に加入します。離婚したことだけを理由に、会社員の社会保険へ加入できなくなったり、特別な保険料が発生したりするわけではありません。

一方、転職先で社会保険に加入しない場合や、退職日から入社日まで期間が空く場合は、その期間の健康保険と年金を別に手続きする必要があります。

状況 健康保険 年金
転職先で社会保険に加入する 転職先の健康保険 転職先の厚生年金
入社まで空白期間がある 国民健康保険、任意継続などを検討 国民年金への切り替えが必要になることがある
転職先で社会保険に加入しない 国民健康保険など 国民年金

社会保険の加入対象になるかは、勤務先の規模、週の所定労働時間、雇用期間の見込みなどで決まります。求人票や雇用契約書だけで判断せず、転職先の担当者に「健康保険と厚生年金に加入するか」を確認してください。

元配偶者の扶養に入っていた場合はどうなる?

離婚すると、通常は元配偶者の健康保険における被扶養者の条件を満たさなくなるため、扶養から外れる手続きが必要です。元配偶者の勤務先や健康保険組合などから、健康保険の資格喪失証明書を受け取ってください。

資格喪失証明書は、国民健康保険への加入や、転職先の健康保険への加入状況を確認する際に求められることがあります。離婚届を提出しただけで、健康保険の切り替えまで完了するわけではありません。

離婚後も「扶養」に入れるケースはある?

「扶養」には、健康保険の扶養と税金の扶養があります。離婚後に元配偶者の健康保険の扶養に残れるかは、離婚後も実際に生計を維持していると認められるかなど、健康保険者の判断によります。

離婚後も自動的に扶養を継続できるとは考えず、資格が残っているかを元配偶者の勤務先または健康保険者へ確認してください。資格を失った後にそのまま保険証を使うと、後から医療費の返還を求められる場合があります。

転職先の社会保険に入る場合の手続き

退職日の翌日から転職先の社会保険に加入する場合、健康保険と厚生年金の資格取得手続きは、通常、転職先が行います。本人は年金手帳などの基礎年金番号が分かる書類や、マイナンバーなどを会社へ提出します。

  1. 転職先に、社会保険の加入日と加入対象かどうかを確認する。
  2. 元配偶者の健康保険の扶養から外れたことが分かる資格喪失証明書を用意する。
  3. 転職先へ基礎年金番号、マイナンバーなど必要な情報を提出する。
  4. 健康保険の資格情報が反映されたことを、会社や保険者へ確認する。

退職日と転職先の入社日が連続していても、実際の社会保険の資格取得日がいつになるかは雇用契約や勤務開始日によって異なることがあります。資格取得日を会社に確認し、保険に入っていない期間が発生しないか確認しましょう。

転職まで期間が空く場合の健康保険

退職から転職まで空白期間がある場合は、主に「国民健康保険」「任意継続」「家族の健康保険の被扶養者」のいずれかを検討します。ただし、離婚後は元配偶者の扶養を利用できないことが多いため、実際には国民健康保険か任意継続を選ぶケースが中心です。

選択肢 確認すること
国民健康保険 住民票のある市区町村で加入手続き。保険料は自治体や前年所得、世帯状況などで異なる
任意継続 退職前の健康保険を継続できる制度。加入要件や申請期限を確認する
家族の健康保険の被扶養者 家族の勤務先の健康保険が定める収入や生計維持の条件を満たす必要がある

任意継続は、退職前に一定期間その健康保険へ加入していたことや、退職後の申請期限などの条件があります。保険料や申請方法は加入していた健康保険によって異なるため、退職前の健康保険者へ確認してください。

国民健康保険へ加入する場合は、自治体が定める期限内に手続きします。手続きが遅れても、資格喪失日にさかのぼって保険料が発生することがあるため、退職や扶養削除後は早めに市区町村へ相談してください。

年金はどう切り替わる?

転職先で厚生年金に加入する場合は、原則として転職先が資格取得の手続きを行います。転職先で厚生年金に加入しない期間がある場合は、国民年金への切り替えが必要です。

離婚前に元配偶者の厚生年金の「第3号被保険者」だった人は、離婚によって第3号被保険者ではなくなります。転職先で厚生年金に加入しない場合は、第1号被保険者への変更手続きを行います。

第3号被保険者から第1号被保険者への変更が必要なのに手続きしていないと、将来の年金記録や保険料に影響することがあります。市区町村の年金窓口や年金事務所で、切り替えが必要か確認してください。

子どもの扶養はどちらの親にする?

子どもをどちらの健康保険の扶養に入れるかは、親権者であるかどうかだけで一律に決まるわけではありません。健康保険では、主に子どもの生計を維持している人や、加入している保険の条件などを確認して判断します。

たとえば、子どもと同居して生活費を負担している親と、別居して養育費を支払っている親がいる場合でも、どちらを被扶養者とするかは健康保険者の認定が必要です。元配偶者の健康保険に子どもを残せるか、自分の健康保険へ移す必要があるかを、それぞれの保険者へ確認してください。

子どもの健康保険を変更する場合は、資格喪失証明書、戸籍関係の書類、収入や生計維持を確認できる書類などを求められることがあります。必要書類は保険者によって異なるため、先に提出先へ確認すると手戻りを減らせます。

失業給付を受けると扶養から外れる?

転職前に失業給付を受ける場合、健康保険の被扶養者になれるかは、基本手当の日額などを含めて判断されることがあります。失業給付を受け取っているから必ず扶養に入れない、または必ず入れるということではありません。

健康保険によって収入の判定方法や必要書類が異なるため、失業給付を申請する前に、扶養に入る予定の家族の健康保険者へ確認してください。扶養認定後に失業給付を受け始める場合も、収入状況の変更を届け出る必要があることがあります。

離婚後に転職する人の確認順

次の順番で確認すると、保険の空白期間や手続き漏れを防ぎやすくなります。

  1. 元配偶者の健康保険の資格を確認する。扶養から外れる日と、資格喪失証明書の発行方法を確認します。
  2. 転職先の社会保険の加入日を確認する。健康保険と厚生年金の両方に加入するか、会社へ尋ねます。
  3. 空白期間の保険を決める。国民健康保険、任意継続、条件を満たす場合の家族の扶養を比較します。
  4. 年金の切り替えが必要か確認する。厚生年金に入らない期間があれば、国民年金の手続きを行います。
  5. 子どもの保険を確認する。子どもをどちらの健康保険の被扶養者にするか、保険者へ相談します。
  6. 保険証や資格情報を確認する。資格を失った健康保険のものを使わず、新しい資格情報が反映されたことを確認します。

保険料の支払いが難しい場合

離婚や転職によって収入が減り、国民健康保険料や国民年金保険料の支払いが難しい場合は、減免や猶予の制度を利用できることがあります。ただし、利用条件や対象となる保険料は自治体や制度によって異なります。

国民健康保険料については市区町村、国民年金保険料については年金事務所または市区町村の年金窓口へ、収入が減った時期と離婚・退職の状況を伝えて相談してください。未納のまま放置せず、申請できる制度があるかを確認することが大切です。

まとめ

離婚後に転職する場合、転職先で社会保険に加入するなら、健康保険と厚生年金は原則として転職先へ切り替わります。転職まで期間が空く場合は、国民健康保険や任意継続などを選び、年金も必要に応じて国民年金へ変更します。

まずは、元配偶者の健康保険の資格喪失日、転職先の社会保険の加入日、空白期間の有無を確認してください。子どもの扶養や失業給付の扱いは個別判断になるため、加入先の健康保険者と市区町村の窓口へ具体的な状況を伝えて確認しましょう。